理系大学生の徒然

理系学生目線の記事を書いてます。Excel、Wordの小技や、学術的なことを噛み砕いて紹介したりもします。

そのデータ、本当に信用できる?対照群の重要さ

宣伝や記事などでよく商品の効果について説明してたりしますよね。
そこで、そのデータって本当に信用できるの?
という疑問を解決するべく、今回は対照群のないデータの注意点について書こうと思います。

まずは見てみましょう

「食前にあるサプリメントを飲むと血糖値の降下が早くなる」という宣伝があったとします。
そして下記のようなデータを示されました。
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一見サプリメントのおかげでかなり食後の血糖値が下がっているように見えますよね。
しかしこのデータには落とし穴があります。
それは 対照群 が示されていないことです。

対照群とは
臨床試験において、研究中の新しい治療を受けない群。この群は、新しい治療に効果があるかどうかを確かめるため、新しい治療を受ける群と比較される。
対照群 WEBLIO辞書 より引用(2018年2月23日アクセス)

上記は医療用語としての定義ですが、だいたい意味は伝わると思います。
今回の場合で当てはめると食前にサプリメント服用しなかった人のことを指します。
グラフをみて分かる通り、食前にサプリメントを服用した人のデータしか乗ってませんよね。
では対照群(食前にサプリメントを服用しなかった人)のデータを表示してみましょう。
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いかがでしょうか。対照群を表示してみると、「あれ?サプリメントの効果って微妙じゃない?」
そうなんです。対照群を表示しないと、データが過大評価される傾向にあり、正しい判断ができなくなってしまう可能性があるのです。

まとめ

  • 対照群が表示されていないデータを見るときは注意しよう。

本記事で用いた内容(サプリメントの血糖降下作用など)は全て架空のものであり、特定の商品を毀謗するものではありません。